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腰痛の原因は画像検査ではわからない

日本で現在腰痛を抱え医療機関を受診している人の数は約2800万人と言われています。

少し古いデータになりますが、「国民衛生の動向・厚生の指標」(2005年・厚生統計協会)によると、腰痛を訴える人の数(有訴者数)は、人口1,000人あたり95.4 人。1986年の数字が59.1 人なので医療が進歩した現代においても腰痛患者は減少するどころか増加しているのです。

腰痛患者が一向に減らない理由には。長時間のデスクワークで座っている時間が増えたこと、交通機関の発達により歩かなくなったこと、運動不足など私たちのライフスタイルの変化が大きく関係しています。しかし一方で腰痛に対する正しい知識がない為に、必要のない検査や適切でない治療を長く続けていることも腰痛患者数を押し上げている要因となっています。

必要のない検査の筆頭にあげられるのがレントゲンやMRIによる画像検査です。
そもそも腰痛患者に画像検査が必要なのは、「重篤な疾患に起因する腰痛」を絶対に見逃さないため。重篤な疾患とは転移性脊椎腫瘍,脊髄・馬尾腫瘍,化膿性脊椎炎,椎体骨折,解離性大動脈瘤,強直性脊椎炎,閉塞性動脈硬化症,馬尾症候群です。これらの疾患が疑われる患者には、画像検査がその後の健康改善に寄与する可能性が高いため推奨されています。

それ以外の腰痛患者(ぎっくり腰や外傷などの急性腰痛を除く慢性腰痛患者)は、痛みの原因が画像ではとらえられない「筋肉や筋膜の損傷」であったり「心理的要因」「社会的要因」であったりと複雑であるため、画像検査による健康改善効果が薄く,多くのガイドラインで推奨されていません。

欧米では少なくなっている画像検査が日本で多いのはなぜでしょう?

それは日本ではいまだ多くの整形外科医が,腰痛を「損傷モデル」の考え方に則って捉えているからです。「損傷モデル」とは、「椎間板の老化によって生じる椎間板症や椎間関節症,すべり症,分離症などの脊椎の構造異常が痛みの原因である」,「椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症で,神経根が圧迫されて,その神経が支配する領域に痛みやしびれが生じる」という考え方です。

しかし近年多くの研究により、画像で観察される椎間板変性や骨棘などの退行性変化は多くの成人に見られ痛みと直接関与しないことが解ってきました。

米国の研究では「腰痛早期のMRI検査は腰椎手術を増加させたが結果に有意な改善はなかった」と報告されています。また別の研究によると、腰椎MRIで変性した椎間板や骨棘などを見て、患者の病識(自分が病気であるという自覚)が強まったという報告もあります。

このように画像検査は症状の改善に寄与するどころか心配の種を増やすだけなのです。

最後に私の尊敬する整形外科医・加茂淳先生のブログを引用します。
加茂先生は10年以上前から「構造モデル」の問題点を指摘し、慢性痛患者を多く救ってこられた先生です。

『なぜ整形外科はこうもだめなのか』
私のところには毎日、電話やメールでの問い合わせが絶えません。多い日には5通ほどあります。

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症の手術をしたがよくならない、あるいはそういう診断を受けて治療しているがよくならない・・・といった内容が多い。

日本には全世界の3分の1の数のCTやMRIがあるといわれています。

この分では、たぶんレントゲンの数も世界トップでしょう。

国民皆保険。十分な検査機器。

それで慢性痛がはびこっているのが現状です。2000数百万人の慢性痛患者がいるといわれています。

これは全く学問の失敗でした。

整形外科医は学問の成り立ち上、構造の勉強をします。

痛みの勉強なんてしたことがありません。

正しい構造が痛みがない、悪くなった構造は痛みの原因になると思い込んでしまったのです。

保険診療費は外国と比較してとても安く設定されています。

集客のためにはMRIを購入しなければならない。

患者さんも目で見えるものが痛みの原因だと思いこむ。

MRIを購入すると、次から次とそれを使って検査をしなければ病院経営が破たんする。

検査をすれば殆どの人に何らかの正常でない変化がみられます。

それが痛みの原因だと思いこむ。

もし異常がなかったら「どこも悪いところがない」と門前払いになる。

病院経営は次々と検査して手術して、数日で退院させる。ベッドの回転をよくしなければやっていけない保険医療。

病院は手術件数の多いことを誇りにする。

患者は手術件数の多い病院がよい病院だと思う。

構造の勉強はしているのだが痛みの勉強はしていない。これが現状です。

整形外科医を10年もやったら、教科書に書かれていることや先輩医の言っていることが何か変だと気づくはずだ。

これに気づかないのはしっかり患者を診ていない証拠です。

では真実はどうなのか?

自分で勉強すればいい。医者なら自分で勉強するぐらいはできるだろう。

インターネットがあるからだれでも勉強できる。

痛みのメカニズムはどうなっているのか?

脳の認知や反応はどうなのか?

心療整形外科

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