私たちの身体を動かす筋肉=骨格筋には大きく分けて、表層筋(アウターマッスル)と深層筋(インナーマッスル)があります。
表層筋は、皮膚に近い場所にある筋肉の総称です。太くて長くて強い。主に歩く、走る、投げる、持ち上げるといった動作時に力を発揮する筋肉です。瞬間的に大きな力を出すことができるものの、長時間収縮を維持することはできません。老化が早く、20歳前後から急速に衰えるといわれています。表層筋は外から筋肉の形が解るため『見た目のカラダ』を作る筋トレのメインターゲットです。
一方の深層筋は、骨や関節、背骨の周辺といった身体の深い場所にある筋肉の総称です。細くて短くて弱いけれど、起きて活動している時は常に骨格と内臓を支えている筋肉です。深層筋の収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。年齢を重ねても衰えにくい筋肉といわれています。

深層筋は外からは形も働きも確認することはできませんが、私たちの体の土台、動きの土台となっているとても重要な筋肉です。
小学生の頃に運動会でやった騎馬戦ってありますよね。帽子を取りに行く騎手が表層筋で騎馬が深層筋と考えていみてください。騎手がしなやかでダイナミックに動くには騎馬がしっかりと騎手を支え、体を安定させておく必要があります。それと同じように、深層筋は活動する私たちの体を支える『縁の下の力持ち』なのです。
※表層筋(アウターマッスル)と深層筋(インナーマッスル)は、解剖学的な分類で用いられる言葉ではなく、エクササイズや施術の便宜上使用されているものです。深層筋は、深部筋、ローカル筋、姿勢保持筋と呼ばれることもあります。
深層筋の特徴
- 細くて短くて弱い。
- 血管が豊富に分布している。
- 筋肉の状態を脳に伝えるセンサーがたくさんある。
- 持久力がある。
- エネルギーの生成能力が高い。
- 安静時に筋緊張が増加する(骨格と内臓を支える必要があるから)。
深層筋の役割
- 姿勢の保持
- 背骨の安定
- 骨盤の安定
- 内臓の安定と働きを助ける
- 関節の安定と動きの微調整
深層筋を鍛えるメリット
- 姿勢が改善する
- スポーツのパフォーマンスが向上する
- 基礎代謝が上がり太りにくい体質になる
- 下腹部に脂肪がつきにくくなる
- 心身ともに安定する
