☑こめかみから側頭部全体に締めつけられる感じがある。

☑後頭部から首筋が張って重い痛みがある。

☑頭全体にもわーっとしたしびれのような痛みがある。

☑頭痛と共に吐き気がある。

☑頭と首の境目が詰まっているような感じで痛い。

筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の頭痛

筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の痛みは、「ひどいコリ」が続いたことで筋膜に異常が生じ、『トリガーポイント』という痛みのセンサーを刺激するスポットが発生したことで起こっています。

トリガーポイントが発生する原因

トリガーポイントは体に加えられた外力(荷重・重力)により、過度に負担のかかった筋肉に深刻な血流障害が起き、組織の修復が阻害されることによって発生します。

一過性の強い外力:交通事故、スポーツ傷害、転倒、打撲、ムチウチ、寝違え、手術など。

継続的な外力:生活習慣(姿勢のクセ、動き方のクセ)、労働、スポーツ、骨格の非対称性、ストレスによる体の緊張など。

筋力の低下は外力に対応する力が弱くなっているので、骨を支える筋肉への負担が大きくなります。

頭痛を引き起こす原因

頭痛は頭部への血流障害によって起こります。血流障害が起こる原因は「コリによる血管の圧迫」「交感神経が亢進したことによる血管の収縮」です。

頭痛を最も招きやすいのは首コリです。特に後頭部にある「後頭下筋群」は『頭痛筋』と呼んでもいいほど頭痛に関係が深い筋肉です。後頭下筋群は細くて小さく深い場所にある筋肉なので、ここの治療は鍼でしか出来ないと私は考えています。

コリと自律神経の関係はとても深いです。コリがつらくて交感神経が亢進することも、ストレスや精神的緊張による交感神経の亢進でコリを招くことも多々あります。いずれにせよ頭痛の解消には筋肉のコリを取ることが最善で最速の方法です。

【頭痛を招く要素】

  • 首こり
  • 肩こり
  • 眼の疲労
  • 食いしばりグセ
  • 首を冷やす
  • 長時間の頭脳労働
  • 考え事が多い
  • 精神的緊張(心配、不安、ストレス)
  • 頭部の静脈血のうっ滞
  • 睡眠不足
  • 昼夜逆転の生活

当院の治療

通常3つの段階を経て治癒に導きます。

第1段階 痛みの除去つよい痛みを感じている筋肉のトリガーポイント(活性化トリガー)を鍼で刺激することで、痛み信号の遮断、交感神経の興奮抑制、血流の改善・増加を図ります。

第2段階 癒着の除:活性化トリガーに関連する筋膜の癒着(潜在化トリガー)を鍼の刺激で、溶かすようにほぐすようにして取りのぞきます。

第3段階 筋バランスを整える:姿勢や動きに偏りが生じていれば、体幹、上肢、下肢全体のバランスを整えます。施術と並行して姿勢や動きの指導、ストレッチや運動の指導をします。

頭痛は他の痛みと比較して最も早期に解消できる痛みです。ですが、薬を常飲されている方は症状が複雑になっているので改善には時間がかかります。治療をしながら減薬に取り組んでいただく必要があります。また、片頭痛の方は鍼治療後に一時的に症状が悪化することがありますのでご注意ください。

当院での改善例

主訴:首の痛みと頭痛(30代・男性・施工監理)

来院までの経緯:22才の時スノーボード中に頭を強打。首が折れたかと思うほどの衝撃を受けたが安静にしただけで治療はせずに今に至る。1か月前の明け方に激しい頭痛がして救急車を呼んだ。CT、MRI、髄膜検査をしたが何の異常も出ず、炎症の数値だけが高かった。ここ数日は頭痛は落ち着いているが、夕方になると首が痛む。

治療治療:この方のように過去の転倒による後遺症が何年も何十年もあとになって出る方がいらっしゃいます。転倒やむち打ちなどは、約5kgある頭がすごい勢いで一方向にしなるので、首の筋肉、特に頚椎キワの骨を支える筋肉に大きな損傷が起きます。ですが首を動かす大きな筋肉がしっかりしている時はこの損傷はさほど気にならずに何年も過ごせることがあるのですが、筋力が落ちた時、疲労がたまってきた時に首痛と頭痛を同時に起こすことが多いです。

触診すると左の「後頭下筋群」にかなり大きなシコリ状のコリがありました。通常頭と首の境目は少しくぼんでいて指で触れられるのですが、この方の場合はコリと癒着で全く指が入りませんでした。想像通り頚椎のキワの腱も癒着で肥厚(太く厚くなる)していて、この首では首を支えること、動かすことがかなり大変だろうなと感じました。夕方になると首が痛むのは首の筋疲労が増しているからでしょう。

治療はまず頭痛を緩和させる為に、刺絡(しらく)という静脈血がうっ滞している場所から少量の血液を絞り出す施術を行いました。この方は鍼治療が初めてで緊張感が強かったので、毎回細い鍼を使い慎重に後頭下筋群のしこりと頚椎キワの癒着を取っていきました。2回目で頭痛の頻度が減り、3回目で頭痛は解消しました。5回目の治療にいらした時は、首は疲れるとまだ痛むとのことでしたが、首がラクになったせいか背中や腰、膝など他の場所が気になりだしたと仰っていました。

ミニコラム:痛みは連鎖し記憶される

あなたは痛みを我慢していたら痛い範囲が徐々に広がってきたなと思う時がありませんか?

トリガーポイントは放置すると痛みの連鎖を引き起こすことがあります。それは痛みをキャッチした神経細胞の興奮が同じ脊髄レベルの神経だけでなく、上下の脊髄レベルの神経細胞にもその興奮を伝えるため、元々の痛みの場所から上下・左右の筋も痛みを感じてしまうからです。こうなると症状が複雑になり、元々の痛みの場所=一番負担のかかっていた筋を特定できず、痛みを長引かせてしまいます。

また、脳は「長期増強」という繰り返し入力された情報を記憶するシステムがあります。学生の時に英単語や歴史の年号を覚える為に何度も繰り返し見て、読んで、記憶したあのメカニズムです。痛みを早期に治療せず放置すると、痛みの信号が継続して脳に入力されるため、脳はその情報を忘れないように深く記憶に刻み込み定着させてしまいます。すると痛みの原因が取れても痛みの記憶だけが残り治療も難しくなります。

痛みの悪循環を生まないためにトリガーポイントは早い段階で治療する必要があります。

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