首痛

☑首の痛みで夜も眠れない。

☑首の前側がパンパンに張って痛い。

☑振り向けない。振り向くと首から肩にかけての筋肉が痛い。

☑頭を後ろに倒せない。倒すと首の後ろから背中が痛い。

☑頭と首の境目が詰まっていて動かすたびに痛い。

筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の首痛

筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の痛みは、「ひどいコリ」が続いたことで筋膜に異常が生じ、『トリガーポイント』という痛みのセンサーを刺激するスポットが発生したことで起こっています。

トリガーポイントが発生する原因

トリガーポイントは体に加えられた外力(荷重・重力)により、過度に負担のかかった筋肉に深刻な血流障害が起き、組織の修復が阻害されることによって発生します。

一過性の強い外力:交通事故、スポーツ傷害、転倒、打撲、ムチウチ、寝違え、手術など。

継続的な外力:生活習慣(姿勢のクセ、動き方のクセ)、労働、スポーツ、骨格の非対称性、ストレスによる体の緊張など。

筋力の低下は外力に対応する力が弱くなっているので、骨を支える筋肉への負担が大きくなります。

首痛が起こる要因

ヒトは起きて活動している間はずっと約5kgもある重い頭を重力に逆らいながら支えています。頭部があるべき場所にあれば、その重さは首と体幹で分散させることができますが、姿勢が崩れると5kgの重さは首の筋肉だけにかかってしまいます。頭が2.5㎝前に出るごとに首にかかる負担は4kg増すと言われています。

首は頭部と肩に筋肉(筋膜)でつながっているので、「眼」「顎」「腕」「肩」の疲労は首の筋肉にも影響を与えます。

また自律神経と首こりには深い関係があります。首には自律神経のブレーキ役である副交感神経が密集しているので、首がコルとブレーキが利かなくなった交感神経は暴走を始めます。またストレスや精神的緊張による交感神経の亢進は、脳へと血液を送る首の血管を収縮させ正常な脳の機能を阻害します。

【首に負担がかかる要素】

  • 猫背
  • 巻き肩
  • パソコン操作時の悪い姿勢(頭が前に突き出る、アゴが上がるなど)
  • 長時間顔を左右どちらかに向ける
  • 長時間下を向く姿勢
  • カバンをいつも同じ側で持つ
  • 過度な筋トレ(持ち上げる動作)
  • 食いしばりグセ
  • 片側だけで噛む
  • 眼の酷使:首と後頭部をつなぐ筋「後頭下筋群」は眼の動きと連動しています。
  • 頭脳労働や考え事が多い:頭部への血液が供給過多となると老廃物の回収が追いつかず首にある静脈血がうっ滞します。
  • ストレス
  • 精神的緊張(不安や心配)
  • 首を冷やす
  • 寒冷にさらされる環境での労働

間違えられる病気

頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、変形性頚椎症、胸郭出口症候群、後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症、頚椎捻挫など

当院の治療

通常3つの段階を経て治癒に導きます。

第1段階 痛みの除去つよい痛みを感じている筋肉のトリガーポイント(活性化トリガー)を鍼で刺激することで、痛み信号の遮断、交感神経の興奮抑制、血流の改善・増加を図ります。

第2段階 癒着の除:活性化トリガーに関連する筋膜の癒着(潜在化トリガー)を鍼の刺激で、溶かすようにほぐすようにして取りのぞきます。

第3段階 筋バランスを整える:姿勢や動きに偏りが生じていれば、体幹、上肢、下肢全体のバランスを整えます。施術と並行して姿勢や動きの指導、ストレッチや運動の指導をします。

当院での改善例

主訴:首の痛み(40代・女性・会社経営)

来院までの経緯:1年前にゴルフをした後に首と右腕に激痛が走る。整形外科で頚椎のヘルニアがあり頚椎4番、5番の椎間板がつぶれていると診断される。薬とストレッチで徐々に痛みが軽減したが、1か月前に再び激痛が起きる。この時は仕事で精神的にかなりストレスがあり、特に右の首の痛みがひどく睡眠もままならなかった為再び整形外科を受診。前回同様、薬とストレッチに励んでいたが痛みは軽減せず、医者からヘルニアの手術を勧められ了承する。入院の準備を進めている間にネットでヘルニアの手術のことを調べたところ、手術をしても良くなっていない人が多くいることを知り怖くなる。手術の日程は決まっているものの、ダメもとで良くなればと当院に来院される。

治療:美容業界の会社を経営されている方らしく、とても美しい女性なのですがご来院された時の表情は暗く痛みで顔がゆがんでいました。お話を伺って「ゴルフで痛めた首と肩がストレスで悪化したんだな」と思い、首と肩のつけ根(頚椎7番~胸椎1,2番)あたりを触診したところ案の定固いしこりがありました。ご自身もそこが一番痛みがあるとのことだったので、その部分にあるトリガーポイントを取り除き、トリガーポイントと筋膜のつながりがある首、肩の施術を行いました。鍼が苦手とのことだったので使用したのはとても細い鍼です。もともと運動習慣がある人だったので、筋肉の反応が良く、比較的簡単にトリガーポイントと癒着が取れました。

1週間後、2回目にいらした時にお会いするなり「先生、奇跡が起きました!すごい!」「首の痛みが無くなって仕事も普通にやれています。睡眠も普通にとれます!」と大喜びされていました。2回目の治療は残った癒着を取り、痛みが出なければ治療は終了にしましょうということになりました。

ミニコラム:痛みは連鎖し記憶される

あなたは痛みを我慢していたら痛い範囲が徐々に広がってきたなと思う時がありませんか?

トリガーポイントは放置すると痛みの連鎖を引き起こすことがあります。それは痛みをキャッチした神経細胞の興奮が同じ脊髄レベルの神経だけでなく、上下の脊髄レベルの神経細胞にもその興奮を伝えるため、元々の痛みの場所から上下・左右の筋も痛みを感じてしまうからです。こうなると症状が複雑になり、元々の痛みの場所=一番負担のかかっていた筋を特定できず、痛みを長引かせてしまいます。

また、脳は「長期増強」という繰り返し入力された情報を記憶するシステムがあります。学生の時に英単語や歴史の年号を覚える為に何度も繰り返し見て、読んで、記憶したあのメカニズムです。痛みを早期に治療せず放置すると、痛みの信号が継続して脳に入力されるため、脳はその情報を忘れないように深く記憶に刻み込み定着させてしまいます。すると痛みの原因が取れても痛みの記憶だけが残り治療も難しくなります。

痛みの悪循環を生まないためにトリガーポイントは早い段階で治療する必要があります。