☑かかとが痛い。

☑親指の裏が痛い。

☑土踏まずが痛い。

☑足の内側が全体的に痛い。

☑足の裏全体がジンジンする。

筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の足底痛

筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の痛みは、「ひどいコリ」が続いたことで筋膜に異常が生じ、『トリガーポイント』という痛みのセンサーを刺激するスポットが発生したことで起こっています。

トリガーポイントが発生する原因

トリガーポイントは体に加えられた外力(荷重・重力)により、過度に負担のかかった筋肉に深刻な血流障害が起き、組織の修復が阻害されることによって発生します。

一過性の強い外力:交通事故、スポーツ傷害、転倒、打撲、ムチウチ、寝違え、手術など。

継続的な外力:生活習慣(姿勢のクセ、動き方のクセ)、労働、スポーツ、骨格の非対称性、ストレスによる体の緊張など。

筋力の低下は外力に対応する力が弱くなっているので、骨を支える筋肉への負担が大きくなります。

足底痛を引き起こす原因

体を支える足の骨は左右で56個、全身の約200個の骨のうち約1/4が足の骨です。これらの骨を支え動かすために足の裏にはたくさんの筋肉があります。

足の裏にも「コリ」が出来る、と言われたら驚くかも知れませんが足の裏もコリます。足底の筋や腱は毎日踏みつけられているのでとても強いのですが「スポーツによる足の使い過ぎ」「足の指の問題による筋疲労」「足底に付着するふくらはぎの疲労」によってコリが生じます。

足底のコリは靴の中に入った砂粒のようなものでいちいち痛く、不快です。この小さなコリを上手くとらえられ鍼の刺激で取り除くことが出来れば痛みは瞬時に消えます。ですが治療は少々痛いので覚悟してください。

【足底に負担がかかる要素】

  • 過度のランニング
  • 過度のジャンプ動作
  • ハイヒール
  • 合わない靴
  • 立っている時間が長い
  • 肥満
  • 偏平足
  • ハイアーチ(甲高)
  • 外反母趾
  • 内反小趾
  • 寝指
  • 太ももの筋肉のコリ
  • 太ももの筋力低下
  • ふくらはぎのコリ
  • ふくらはぎの筋力低下
  • 足の関節が固い
  • 足の関節が柔らかすぎる

間違えられる病気

足底筋膜炎、足底腱膜炎

治療

通常3つの段階を経て治癒に導きます。

第1段階 痛みの除去:つよい痛みを感じている筋肉のトリガーポイント(活性化トリガー)を鍼で刺激することで、痛み信号の遮断、交感神経の興奮抑制、血流の改善・増加を図ります。

第2段階 癒着の除:活性化トリガーに関連する筋膜の癒着(潜在化トリガー)を鍼の刺激で、溶かすようにほぐすようにして取りのぞきます。

第3段階 筋バランスを整える:姿勢や動きに偏りが生じていれば、体幹、上肢、下肢全体のバランスを整えます。施術と並行して姿勢や動きの指導、ストレッチや運動の指導をします。

当院での改善例

主訴:左足かかとの痛み(40代・女性・福祉施設職員)

来院までの経緯:何カ月も前から左足のかかとに違和感と痛みがある。歩いているとゴツゴツあたるような感じ。

治療:もともと首肩の痛みで通院されていた方です。ある日施術中に「ここ何カ月もかかとが痛いんですが鍼でどうにか出来ますか?」と相談されました。この方のように他の部位の治療過程で「実は・・・」と足の裏の痛みや違和感を相談されることが結構あります。きっと「多分鍼じゃどうにもならないだろうけど、一応聞いてみよう」という感じかと思うのですが、鍼が一番どうにかできます。

足の裏に痛みが起きると病院では100%「足底腱膜炎」「足底筋膜炎」と診断されますが、多くは炎症の痛みではなく、腱、靭帯、筋膜、皮膚、脂肪組織といった軟部組織に異常が起きてトリガーポイントを形成した痛みです。本当の「足底腱膜炎」や「足底筋膜炎」を起こすのは、ランニングやスポーツによるオーバーユースです。一方のトリガーポイントの足底痛は、開帳足(足の指が横に広がる)、外反母趾、内反小趾、寝指、足の関節がやわらかすぎるといった、足や足の指、足の関節になんらかの問題があり、足底にかかる負荷が特定の場所に集中することで起きています。

この方は左足の関節がとてもやわらかく歩く度に内側に沈み込んでいました。その為歩行時に全体重を支える踵に均等に体重がかからず、やや内側の部分に過剰な負担がかかりトリガーポイントを形成していたのでした。少し肥満体型であることも負担を大きくした要因ではあります。

治療は患者さんが指で指し示す違和感のある場所を丹念に触診し、圧痛を感じれば鍼をする、というのを数回繰り返しました。かかとは硬いのでその中にあるしこりをピンポイントで特定するのはとても難しいです。また足の裏の鍼は正直ちょっと痛いので、一回に何度も鍼をするのは避けています。この方の場合、月一回の来院時に首肩の治療を行った後かかとの施術も行いました。痛みは3回目くらいで消えましたが違和感をきれいに取るまでには10回かかりました。施術に合わせてインソールの使用と正しい位置に足首が安定するまでの足首サポーターの使用もお勧めしました。

ミニコラム:痛みは連鎖し記憶される

あなたは痛みを我慢していたら痛い範囲が徐々に広がってきたなと思う時がありませんか?

トリガーポイントは放置すると痛みの連鎖を引き起こすことがあります。それは痛みをキャッチした神経細胞の興奮が同じ脊髄レベルの神経だけでなく、上下の脊髄レベルの神経細胞にもその興奮を伝えるため、元々の痛みの場所から上下・左右の筋も痛みを感じてしまうからです。こうなると症状が複雑になり、元々の痛みの場所=一番負担のかかっていた筋を特定できず、痛みを長引かせてしまいます。

また、脳は「長期増強」という繰り返し入力された情報を記憶するシステムがあります。学生の時に英単語や歴史の年号を覚える為に何度も繰り返し見て、読んで、記憶したあのメカニズムです。痛みを早期に治療せず放置すると、痛みの信号が継続して脳に入力されるため、脳はその情報を忘れないように深く記憶に刻み込み定着させてしまいます。すると痛みの原因が取れても痛みの記憶だけが残り治療も難しくなります。

痛みの悪循環を生まないためにトリガーポイントは早い段階で治療する必要があります。

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