手の痛み

こんな痛みでお悩みですか?

親指の手のひら側のつけ根が痛い。

人差し指と中指がしびれる。

手の平全体がしびれる。

包丁を使うと手首が痛む。

ドアノブを回すときに手首が痛い。

それは、筋筋膜性疼痛症候群(きんきんまくせいとうつうしょうこうぐん:MPS)かも知れません。

手の痛みを引き起こす原因

当院に手や手首の痛みでいらっしゃるのは、主婦、美容師、エステティシャン、飲食店のホール業務といったように日常的に手を使うことが多い方達です。

「普段と変わることはしていないのに何で痛いんだろう?」とおっしゃるのですが、普段と変わらない事をしているからこそ、痛みが出るのです

日常的に手を使うことが多い方達は、同じ筋肉を無意識に酷使し続けています。包丁やハサミを握る筋肉、握ったモノを落とさないように支える筋肉、指や手首を動かすetc。

筋肉は力を発揮する時に硬く(収縮)なり、そうでない時は緩む(伸張)ようにデザインされています。筋肉を働かせるには当然エネルギーが必要で、そのエネルギーを作るのに酸素が血液に乗って使う筋肉に運ばれる必要があります。筋肉が収縮と弛緩をひんぱんに繰り返すとエネルギーの供給が需要に追いつかなくなり筋肉の疲労=コリが生じます。

コリのある筋肉は筋膜の内圧を高め、筋膜が肥厚(ひこう=分厚くなる)してしまう為、膜同士が摩擦し、筋肉を動かすたびに神経が刺激されて痛みが生じるのです。

実際、痛みのある場所を触ってみてください。

痛くない方の手にはない、コリコリした小さな塊やブニョブニョしたしこりが触れられるはずです。

MPSの痛みは、こうした「コリ」が続いたことで筋膜に異常が生じ、『トリガーポイント』という痛みのセンサーを刺激するスポットが発生したことで起こります。

日常生活で手・手首に負担がかかる動き

●重さのある物を握って動かす:食材を切る。フライパンを使った調理
●ハサミを使う:美容師、花屋さん、パタンナー
●指を動かし続ける:ピアノ、パソコンやスマホの操作
●手のひらで重さのある物を支える:乳幼児を育児中のママ、飲食店のホール業務
●強く手を握りしめる:自転車、バイク、重いカバンを持つ
●握りしめた手に瞬間的に強い衝撃が加わる:ゴルフ、テニス
●指先で何かをつまんで指を動かす:裁縫、編み物など
●指先に強い力を加える:タオルを絞る、草むしりなど
●手根に強い力を加えつづける:パン作り、陶芸など

病院でつけられやすい病名

手根管症候群、腱鞘炎、バネ指(弾発指)、キーンベック病(月状骨軟化症)、三角繊維軟骨複合体損傷(TFCC損傷)など

当院の治療(動画あり)

手指や手の筋肉はそれぞれが小さくて細いので、ここにできる筋膜の異常も米粒ほどの大きさです。

この小さな患部をピンポイントでとらえ適切な刺激を与えることが出来れば手の痛みは瞬時に消えます

通常3つの段階を経て治癒に導きます。

第1段階 痛みの除去(部分の問題を解決する)

つよい痛みを感じている筋肉のトリガーポイント(活性化トリガー)を鍼(はり)で刺激することで、痛み信号の遮断、交感神経の興奮抑制、血流の改善・増加を図ります。

第2段階 癒着の除去(周辺の問題を解決する)

筋膜の癒着を鍼の刺激で、溶かすようにほぐすようにして取りのぞきます。癒着が取れることで、筋膜内を走行している動脈、静脈、感覚神経、運動神経、自律神経が解放され機能が向上します。

第3段階 筋バランスを整える(全体の問題を解決する)

姿勢や動きに偏りが生じていれば、体幹、上肢、下肢全体のバランスを整えます。

施術と並行して姿勢や動き、ストレッチなどの指導をします。

当院での改善例

主訴:手首の痛み(30代・女性・美容師)

来院までの経緯:職業柄手をよく使う。最近シャンプーをする時に頭を支える左手の手首に激痛が走る時がある。良くなったり悪くなったりを繰り返しているが、鍼で治るなら治したいと来院。

治療:美容師さんはシャンプーをする姿勢に無理があるのか、手首や腕、首、腰に痛みを抱えている方が多くいらっしゃいます。この方は左の手首の小指側にある丸く飛び出た骨(尺骨の茎状突起)周辺に痛みがあるとのことでした。小柄な方なので、シャンプー時に手を大きく開き頭を支えつづけることで小指のつけ根に負担がかかったのだと思います。

尺骨周辺のトリガーポイントを見つける為に、手首を色々な方向に動かしてもらい、痛みの出る場所を探しました。手にある筋肉や腱はとても細いので探すのが大変なのですが、丹念に探していくと米粒ほどのトリガーポイントが触知できました。そこを鍼で刺激すると患者さんにドーンという刺激が感じられました。すると一瞬で痛みが無くなりました。

この方は鍼が初体験でした。これまでに手首の症状で整体などに行かれていたということですが、今回の鍼の効果に「即効性が凄い!」と驚かれていました。

ミニコラム:痛みは連鎖し記憶される

あなたは痛みを我慢していたら痛い範囲が徐々に広がってきたなと思う時がありませんか?

トリガーポイントは放置すると痛みの連鎖を引き起こすことがあります。それは痛みをキャッチした神経細胞の興奮が同じ脊髄レベルの神経だけでなく、上下の脊髄レベルの神経細胞にもその興奮を伝えるため、元々の痛みの場所から上下・左右の筋も痛みを感じてしまうからです。こうなると症状が複雑になり、元々の痛みの場所=一番負担のかかっていた筋を特定できず、痛みを長引かせてしまいます。

また、脳は「長期増強」という繰り返し入力された情報を記憶するシステムがあります。学生の時に英単語や歴史の年号を覚える為に何度も繰り返し見て、読んで、記憶したあのメカニズムです。痛みを早期に治療せず放置すると、痛みの信号が継続して脳に入力されるため、脳はその情報を忘れないように深く記憶に刻み込み定着させてしまいます。すると痛みの原因が取れても痛みの記憶だけが残り治療も難しくなります。

痛みの悪循環を生まないためにトリガーポイントは早い段階で取りのぞく必要があります。