頭痛頭重、めまい、浮遊感

頭痛やめまいの原因は首の深層筋、後頭下筋群のコリ

頭痛を始めとする頭部の症状は、緊張型頭痛、頭のしめ付け感といった痛み、後頭部のつまり感、めまい(耳が原因でないもの)や浮遊感などの感覚の異常があります。これらは首や肩、背中にかけての筋肉や頭の筋肉(筋膜)が緊張することで起こると考えられています。長時間のデスクワークで同一姿勢が続いたり、精神的ストレスが続くと筋肉の緊張(特に横隔膜から上の上半身)が高まり血流が著しく悪くなります。すると筋肉の中に乳酸を始めとする老廃物がたまり、それが周囲の血管や神経を圧迫して、様々な感覚異常や痛みを起こしてしまうのです。特に頭部を支配する神経が継続的な刺激を受け続けると、脳が持つ「痛みのコントロール機能」が低下する為、筋肉が緊張していない時でも頭痛が起こるようになってしまいます。

頭痛を起こす筋肉の中でも、NHKのためしてガッテン「“新原因”発見! 衝撃の肩・首のこり改善SP」でも紹介された『後頭下筋群』のコリは放置してはいけない危険なコリです。後頭下筋群は頭蓋骨と首の骨をつなぐ4種類8つの小さくて細い筋肉です。この後頭下筋群がこると、首の回転や上下の動きを悪くするだけでなく、後頭部の不快なつまり感、張り感を起こし、さらには脳への血流の阻害、神経機能の低下を招きます。それは後頭下筋群が首の最深層にある深層筋で、この筋群の下方を脳に向かう動脈と頭部を支配する神経が通っているためです。また後頭下筋群には筋肉の長さを検知する筋紡錘の密度が非常に高く,視覚や前庭覚(耳の中にある体の傾きを把握する感覚)と統合する固有受容器として中枢神経系との感覚運動制御に関与しています。その為、後頭下筋群のコリが眼精疲労やめまいの主原因となるのです。

頭痛やめまいは日常生活に支障をきたすつらい症状なので、薬による症状の鎮静を図りがちですが、原因は筋肉のこりなので、鎮痛薬を使用してもあまり効果はありません。特に頭痛薬の常飲は「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」を起こす危険性が指摘されているので注意が必要です。そして後頭下筋群は首の深部にある為、この部分のコリは指や低周波治療での改善は望めません。後頭下筋群のコリを改善できるのは深層のコリに届く鍼だけです。鍼の刺激で筋肉がゆるむと、脳に血流が改善するのが実感でき、頭痛、眼精疲労が軽減します。

原因

運動器(身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称)に生じる痛みの多くは体にかかった外力(荷重)による組織の損傷が原因です。外力には事故や転倒といった一過性の大きな外力と、不適切な体位や単純で反復する作業のような継続的な外力とがあります。一過性の外力による痛みは「急性痛」で、これは組織に激しい損傷が起きたことによる《炎症の痛み》です。炎症は損傷を受けた組織を防御し修復する過程なので、適切な治療を行い傷が治れば痛みも自然に消えていきます。この一過性の外力による損傷が治癒しているにも関わらず続いている(通常3カ月~6か月)痛みや、明らかな組織の損傷がないのに痛い状態を「慢性痛」といいます。慢性痛の多くは継続的に体にかかる外力で、筋の緊張状態が続き、硬くなった筋肉に血管や神経が絞扼されて痛みが生じています。

一過性の外力(荷重):交通事故、スポーツ傷害、転倒、打撲、ムチウチ、寝違え、手術など

継続的な外力(荷重):パソコンやスマホ操作時の悪い姿勢、長時間下を向き続ける姿勢、目の酷使、かみ合わせ、喰いしばり、ストレスにより体の緊張など

適応症状 

緊張型頭痛、緊張型頭痛と片頭痛の混合型頭痛、頭のしめつけ感、後頭部のつまり感、後頭部がモヤモヤする、こめかみの痛み、頭重、めまいなど。

頭痛に不随する症状: 眼精疲労。耳鳴り。肩こり。背中のこり。自律神経の乱れ(胃腸障害、睡眠障害、気分障害)など。

施術

通常3つの段階を経て治癒に導きます。

第1段階 痛みを消失させる施術:痛みの出ている筋肉のトリガーポイントを狙い、筋肉の緊張をゆるめ血管と神経の正常な走行を取り戻すことで痛みを取りのぞきます。

第2段階 痛みの根本原因を除去する施術:通常痛みを感じている筋肉は根本原因ではありません。ヒトは動き(活動)を通して体を傷めるので、その人の日常の姿勢、動作のクセから痛みが出た場所に負担をかけている部位を特定し施術をします。これにより筋肉の偏った緊張を取り、痛みが出ている筋肉と連動する筋肉(腕、肩甲骨、背中の上部、胸部、頭部、顔など)との動きを整えます。

第3段階 体全体のバランスを整え再発を予防する施術:姿勢や動きに偏りが生じないよう、体幹、上肢、下肢全体のバランスを整えます。施術と並行して、姿勢や動きの指導、ストレッチや運動の提案をします。

施術する代表的な筋群

名称:後頭下筋群
大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋からなる筋群。頭を後ろに倒す、回す動作に作用する。後頭下筋群のコリは頭痛、めまい、眼精疲労を起こす原因となります。

名称:胸鎖乳突筋
頭を傾ける、頭を回転させる、頭を後に倒す、頭が固定されている場合、呼吸(吸息)を助ける作用。自律神経の乱れが出る場所でもあり、ここのコリが自律神経に影響を与えます。

名称:棘上筋
肩関節の安定性を保つ働きをするローテーターカフ(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲挙筋)のひとつ。上腕(肘から上の部分)を体から離す(例:腕を水平に挙げる)、外側に回転させる(例:上着を着る)作用。僧帽筋の下層にあるいわゆる肩こり筋。

名称:斜角筋群
前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋からなる筋群。吸気時に肋骨を挙上する、片側の収縮で頚椎を収縮した方に曲げる、両側の収縮で頸を前に倒す作用。胸式呼吸に大きく関与しています。

ヒューマン・アナトミー・アトラス 画像の使用 @visiblebodyに感謝します。