顎関節症

顎関節症はかみ合わせではなく筋肉の治療を

顎関節症は20代~30代の女性に多い疾患です。その理由は、女性は男性に比べて筋力が弱く靭帯が柔らかいため、関節が不安定になりやすいからと言われています。股関節症も顎関節症と同様に女性に多い疾患で、骨盤の形状と筋力の弱さが理由として挙げられています。確かに関節と筋力とは深い関係があります。なぜなら関節が動揺しないように安定させ、骨を動かして動きを作っているのは筋肉だからです。近年男性にも顎関節症が増えてきたのは、硬いものを食べる機会が少なくなったせいで、男性もアゴ周りの筋力が落ちたからかも知れません。顎関節と筋肉の関係で考えなければいけないのは、筋力の弱さだけでなく、顎関節周辺に「コリ」があるかないかも重要です。

顎関節に作用する筋は、外側翼突筋、内側外側翼突筋、側頭筋、咀嚼筋、舌骨筋群です。これらの筋肉に食いしばりなどの理由で過度に負荷がかかってコリができてしまうと、当然関節がスムースに動かなくなってしまいます。「コリ」のある筋肉というのは、筋肉が収縮したまま伸びなくなって、硬く、太く、短くなっています。本来筋肉は骨を動かすバネの役割を持っているのですが、そのバネが縮んだまま伸びないと、連動して動いている他の筋肉を引っ張り、付着している骨もひっぱります。それが筋肉のアンバランスとなり、ゆがみと痛みを生んでしまいます。コリが顎関節に作用する上あごや下あごから始まって、顔、首、肩、背中と広がり顎関節症の症状を悪化させている場合もあれば、首こり、肩こりが顎関節症の根本原因となっている場合もあります。顎関節症の治療にまず挙げられるかみ合わせの治療も結局は正しい位置で噛めるようにして、左右の筋肉のバランスを整えることが目的です。かみ合わせの治療は高額で時間がかかります。それよりも筋肉の鍼治療をする方がはるかに安価に早く改善が期待できます。ただし顔に鍼をされることが怖くない人限定ですが・・・。

原因

日中や睡眠時のくいしばり、睡眠時の歯ぎしり、かみ合わせ、片側だけで噛む、頬杖をつく、精神的なストレス、柔らかいものしか食べない、首こり、肩こり、背中のこりなど。

適応症状

口を開閉すると痛い。顎を左右に動かすと痛い。耳の前やこめかみが痛い。食べ物を噛むとあごがだるい。大きなあくびが出来ない。りんごの丸かじりができない。口を開閉するとき耳の前で音がする。時々あごがひっかかったようになる。

顎関節症に付随する症状:舌痛、口の中の違和感。頭痛。めまい。首こり。肩こり。背中のこり。耳鳴り。自律神経の乱れなど。

施術

通常3つの段階を経て治癒に導きます。

第1段階 痛みを消失させる施術:痛みの出ている筋肉のトリガーポイントを狙い、筋肉の緊張をゆるめ血流を改善させることで痛みを取りのぞきます。

第2段階 痛みや違和感の根本原因を除去する施術:通常痛みを感じている筋肉は根本原因ではありません。ヒトは動き(活動)を通して体を傷めるので、その人の日常の姿勢、動作のクセから痛みが出た場所に負担をかけている部位を特定し施術をします。これにより筋肉の偏った緊張を取り、痛みが出ている筋肉と連動する筋肉(首、頭部、腕、肩甲骨、背中の上部、胸部など)との動きを整えます。

第3段階 体全体のバランスを整え再発を予防する施術:姿勢や動きに偏りが生じないよう、体幹、上肢、下肢全体のバランスを整えます。施術と並行して、姿勢や動きの指導、ストレッチや運動の提案をします。

施術する代表的な筋群

名称:側頭筋
4つの咀嚼筋(側頭筋、咬筋、外側翼突筋、内側翼突筋)のひとつ。側頭部と下顎骨をつなぐ。下あごを上げる。下あごを後ろに引く作用。会話、食事、奥歯を強くかみしめるなど下あごを動かす全ての動作に関与します。

名称:咬筋
4つの咀嚼筋(側頭筋、咬筋、外側翼突筋、内側翼突筋)のひとつ。浅層と深層からなる筋肉で最も重要な咀嚼筋。内側に側頭筋、後縁を耳下腺が覆っている。噛みしめる、食いしばるなどの下あごを上げる作用があります。

名称:外側翼突筋
4つの咀嚼筋(側頭筋、咬筋、外側翼突筋、内側翼突筋)のひとつ。側頭筋と咬筋の内側にある顎の深層筋。下あごを前に引く、顎を左右に動かす作用。会話、食事など下あごを動かす全ての動作に関与します。

名称:顎二腹筋
頸部の筋肉の一つ。下顎骨を下げる(口を開ける)、舌骨を引き上げる、舌骨を固定して下顎をひく作用。咳、飲み込み、くしゃみをする時に舌骨を安定させます。この筋肉がコルとあごの動きが悪くなって食事中にむせやすくなります。

ヒューマン・アナトミー・アトラス 画像の使用 @visiblebodyに感謝します。