頭痛の3大原因

日本人成人の3人に1人が日常的に頭痛に悩む「頭痛もち」と言われています。ひとくちに頭痛と言っても、その原因と症状は様々です。
頭痛には大きく分けて「一次性頭痛」と「二次性頭痛」があります。
「一次性頭痛」は、他に原因となる病気のない頭痛です。片頭痛、緊張型頭痛、片頭痛と緊張型頭痛の混合型、群発頭痛など、頭痛の9割はこの「一次性頭痛」です。
一方の「二次性頭痛」は病気やケガなどが原因で引き起こされる頭痛です。
頭部外傷や脳腫瘍などの外科的なものから、感染症、薬物乱用頭痛といった内科的なもの、眼・耳・鼻、口腔疾患、神経痛など原因は様々です。
この「二次性頭痛」は、くも膜下出血、脳腫瘍、高血圧性脳症、副鼻腔炎などの見逃すと危険性が高い病気が原因のこともあるので注意が必要です。
頭痛の原因1.首・肩こり
「一次性頭痛」は症状の出方がどうであれ、そのほとんどは首・肩こりに起因して起こっています。緊張型頭痛で痛みを発しているのは、頭部を覆っている帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)です。精神的ストレスや悪い姿勢、長時間のPC操作で首肩周辺の筋肉の緊張が続くことで帽状腱膜(内の神経)が引っ張られて痛みが生じます。片頭痛は動脈の拡張が血管の神経を引っ張っることで痛みます。この動脈の拡張を起こすのは自律神経で、その機能調整に関係しているのが後頭下筋群(こうとうかきんぐん)や胸鎖乳突筋といった首の筋肉です。首・肩こりの体操や治療をしても治らなかった、という方は首の深層筋、特に頭痛筋と言われる後頭下筋群の柔軟性を取り戻せていないからだと私は考えています。
頭痛の原因2.目の酷使
オーバーユース(酷使)している部位には血液が大量に供給されなければなりません。目を使い続けることは、頭部への血液需要が増し、いわゆる「頭に血が上った状態」になります。このことでまぶたや目の周りの筋肉とつながっている帽状腱膜の内圧があがり、神経を引っ張ることで頭痛を起こします。また何かを凝視する時は、首と肩の筋肉(上半身)を緊張させて頭部を固定しています。これにより首・肩こりが生じて頭痛につながっていきます。また目は脳から派生してできた臓器です。脳梗塞や脳腫瘍の発症が目の異常でわかるように、脳と目は密接に関係しています。目の使い過ぎは脳の疲労を招き、自律神経を始め、様々な体の機能低下を招きます。
頭痛の原因3.自律神経の乱れ
血管の収縮、痛みの強弱を調整しているのは自律神経です。自律神経は生命活動のアクセル役である交感神経と、ブレーキ役の副交感神経がその時の状況に応じてバランスよく働いています。しかし、夜更かし、暴飲暴食、眼の酷使、精神的興奮、精神的ストレスといった交感神経の暴走や、コロナ禍で起きた生活が不活発な状態が続くと自律神経のバランスが崩れて頭痛が起きることがあります。また前述した首こりは自律神経が乱れる大きな要因のひとつなので注意が必要です。
上記の他に、顎関節の不具合、食いしばり、歯ぎしりの習慣、薬の副作用も頭痛の原因です。痛みを増悪させる要因には、飲酒、過食、不規則な生活習慣、ストレス、睡眠不足、運動不足などがあります。