股関節痛の3大原因

股関節の重要な役割は、骨盤と共に体重を支えること、そして、歩く、立つ、しゃがむなど足の様々な運動です。この体重を支え、脚を動かすという役割により、股関節に異常が生じると、股関節周辺だけでなく、腰、お尻、そ径部、太ももの前、横、後ろ、膝など、様々な場所に痛みが出ます。その為、股関節の異常は他の病気と間違って診断をされることも珍しくありません。
代表的なものは「坐骨神経痛」です。
病院では坐骨神経痛は、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアが原因とされていますが、本当の原因は、梨状筋や外旋六筋(がいせんろっきん)などのお尻の筋肉が硬くなって神経を絞めつけているからです。
狭窄した脊柱管やヘルニアが神経を刺激しているのではなく、筋肉が神経を絞めつけているのです。
筋肉が原因である証拠に、関節痛の多くは、数週間あるいは数か月単位で痛みが軽くなったり、強くなったりを繰り返します。痛みが出たり出なかったりするのは、気温が暖かった、体を休めることができたなど、なんらかの理由で筋肉の柔軟性が一次的に回復したからです。もし骨格の構造的な問題であれば痛みは出続けるでしょう。しかし一時的に痛みが軽くなったからといって、関節の損傷が良くなったわけではありません。股関節痛を始め、腰痛、膝痛、首痛などの慢性的な痛みは、痛みが出たり消えたりを繰り返しながら病状は確実に進行していきます。
股関節痛の原因1.先天的な股関節の不全
変形性股関節症を発症する最大の要因は、「先天性股関節脱臼」や「寛骨臼形成不全症(かんこつきゅうけいせいふぜんしょう)」といった先天的な股関節の形成不全です。女性に多く発症すると言われています。これらの先天的な疾患のある方は、体重を支えるのに不利な状態にあるので、体重の増加や筋力の低下が起きると、大体骨骨頭と臼蓋(きゅうがい)がこすれ、軟骨がすり減って痛みや運動障害を引き起こす可能性が高くなります。痛みがひどい時は人工関節置換術が行われますが、予防策として股関節周辺の筋肉(お尻と太もも)を鍛えること、歩き方や靴の選び方を工夫することが必要です。
股関節痛の原因2.スポーツや日常生活での継続的な負荷
股関節の役割は、体重を支えることと、体重を支えながら歩く、走る、立つ、しゃがむなどの足の様々な運動を行うことです。なので、普通に日常生活を送っていても股関節には常に負担がかかっているのですが、スポーツはその負担がかなり大きなものになります。
股関節痛を招く代表的なスポーツは、サッカー、テニス、バレー、バスケット、ランニング、ゴルフなどがあります。片足立ちでのキック、速いスピードで走って来て急に止まる、ジャンプを繰り返す、踏ん張るといった動作を継続的に行うことで股関節が障害します。
日常生活では左右対称ではない動きや姿勢が股関節の負担になります。
脚を組む、片足に重心を置いて立つ、横座り、ぺたんこ座りなど。座りっぱなしも股関節周辺の血流が悪くなり痛みにつながります。。
股関節痛の原因3.筋力低下や悪い姿勢による骨盤、背骨のかたむき
筋力の低下による姿勢の乱れは痛みを招きます。特に抗重力筋と言われる、腹筋、大腿四頭筋、大殿筋、ハムストリングスなどの筋力が低下すると、体重を支えることができず、股関節や膝にかかる負担が大きくなります。また猫背や女性に多い反り腰などによる腰椎の過後傾や過前傾は、股関節を動かす筋肉にアンバランスを生むため、特定の筋肉に負担がかかり痛みの元となります。
股関節の痛みを増悪させる要因には、飲酒、過食、不規則な生活習慣、ストレス、睡眠不足、運動不足などがあります。