首のこり(緊張)が原因で自律神経障害を起こす病気です

首こり病とは、何らかの原因で首の筋肉が過度に緊張した状態(こり)が続くことによって引き起こされる様々な症状のことです。
医学的には、頚性神経筋症候群(けいせいしんけいきんしょうこうぐん)という概念で、近年研究が進められています。

“頭が重い” “疲労感が取れない” “よく眠れない” といった「なんとなく体調が悪い」という患者の強い自覚症状に対して、検査では異常が見つからない。これまで「不定愁訴」として扱われていた症状が、実は首こりによって引き起こされていることが解ってきたのです。

首こり病には、「何となくやる気がでない」といった軽度の症状の方から、うつ状態やパニック発作などで日常生活に支障をきたすほど重度の方もいらっしゃいます。

首こり病の症状

  • めまい
  • 頭痛
  • 頭がのぼせる、顔がむくむ
  • 後頭部のつまり感
  • 微熱がでる
  • 慢性的な眼精疲労
  • 目が見えにくい、視界がぼやける
  • 目の奥が痛い
  • のどのつまり感
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • やる気が出ない
  • 体がだるい
  • 集中力の低下
  • 寝ても疲れがとれない
  • 睡眠障害
  • 動悸や息切れがする
  • 血圧が不安定
  • 強い肩こりや腕のだるさ、腰の張り
  • パニック発作
  • うつ
  • 食いしばり

首こり病の原因

1.事故やケガの後遺症

過去に頸椎に外的な衝撃を受けたことがある人は頸椎の動きが悪くなっていることが多いです。その為首こりが起こりやすい状態であると言えます。
・スキーやスノーボードでの転倒事故、高所からの転落事故、交通事故
・首に衝撃を受ける格闘技やコンタクトスポーツ(アメフト、ラグビー、ボクシング、レスリング、柔道など)

2.目の酷使(モニターから受ける光の刺激)

目は脳から派生してできた臓器です。脳梗塞や脳腫瘍の発症が目の異常でわかるように、脳と目は密接に関係しています。目の使い過ぎは脳の疲労を招き、自律神経を始め、様々な体の機能低下を招きます。

現代人が長時間操作するパソコンやスマホのモニターから出ている光(ブルーライト)は、光のエネルギーが強いため目の疲労を招きます。目を動かす眼神経は脳神経の一つであり、後頭部にのあるため、目の疲労は後頭部のコリを生じさせます。

3.長時間の同じ姿勢or悪い姿勢

P Cやスマホのモニターを凝視している時は、頭を一定の位置に固定しなければならない為、首と肩の筋肉を緊張させる必要があり、コリが生じやすくなります。

多くの人がパソコンの作業時には、肩をそびやかせ、背中を丸め、頭を前に突き出すような姿勢をしています。スマホの操作ではうつむいた姿勢が続きがちです。うつむく角度が30度になると、首にかかる負担は通常の3倍、45度になると4倍になるそうです。

PCやスマホの操作が日常生活の一部となった今、首こり病(頚性神経筋症候群)は、現代人の生活習慣病とも言えるのです。

4.精神的ストレス

頭から片時もは離れない不安や心配事がある時、ヒトはどんな姿勢になるでしょうか?
背中を丸め、頭はうなだれて、下ばかり見ているのではないでしょうか?
あるいは上半身にグッと力を入れて、肩をそびやかし、首をすくめて、外敵から身を守るように身構えているかも知れません。

ストレスを受けている時は自律神経の交感神経がとても優位になっています。
『逃走か闘争かの神経』と言われる交感神経が優位になると、全身の筋肉は緊張し、血管は収縮、呼吸は浅く速くなってしまうので、コリが生じやすい条件がすべて揃ってしまうのです。

首の筋肉は呼吸補助筋であるため、精神的ストレスを受け、浅く速い呼吸ばかりするようになると、首の筋肉の負担が増し首こり→首こり病を発症します。

首こりがどのように自律神経に影響するのか?

このメカニズムについては、首こり病(頸性神経筋症候群)という概念を提唱された松井医師が理事を務めておられる「東京脳神経センター」のブログに詳しいので、そちらをご覧ください。