斜頚とは
斜頚とは「曲がった首」とも呼ばれ、頭や首の位置が異常で非対称な状態を特徴とする病気です。頭部が斜めに傾いているため、首への負担が大きく、首に痛みやこわばりを伴うことがよくあります。
斜頚には大きく3つの種類があります。
1. 先天性筋性斜頚: 先天的に耳の後ろから鎖骨まで伸びる胸鎖乳突筋の短縮または緊張により発生。
2. 後天性斜頚:筋肉のけいれん、怪我、または頸部ジストニア (神経性運動障害) などの基礎疾患など、さまざまな要因によって発生。
3.痙性斜頚 (頚部ジストニア): 首の筋肉が不随意に収縮し、異常な動きや姿勢を引き起こす神経障害により発生。
斜頚の症状
斜頚による症状の重症度は、筋肉の緊張の度合いや神経障害の有無の他、全体的な健康状態などの個人的な要因によって異なります。
・頭が片側に傾く
・あごが片方の肩を向く
・首のこわばりまたは痛み
・首の可動域が狭い
・首の筋肉のけいれん
・頭部が意思と無関係に動く
・頭痛
斜頚の原因
斜頚の種類に応じてさまざまな原因があります。
先天性筋性斜頚:子宮内または出産時の胎児の異常な位置、出産時の外傷などにより、胸鎖乳突筋の短縮または緊張が生じると考えられる。
後天性斜頚:後天性斜頚は、次のようなさまざまな要因が原因で発生します。
・筋肉の痙攣または緊張の持続
・事故によるむち打ち症やスポーツによるケガ
・感染症または炎症
・首の腫瘍(首に異常な腫瘍ができると、筋肉や神経に圧力がかかり斜頸の原因となる)
痙性斜頚:脳の機能異常、ストレスや過度の疲労、不自然な姿勢による首・肩への長時間の負担、脳疾患やその後遺症、遺伝、薬の副作用などが考えられる。
斜頚の診断
斜頚の診断には、まずケガによる症状でないことを確認した上で、既往歴、職業、ストレスの度合い、一定の姿勢を長時間取ることがあるかどうか、家族に同様の症状のある人はいないかの確認。必要に応じ、エックス線検査やCT検査、MRI検査などの画像検査、血液検査による炎症の有無、遺伝性が疑われる場合は遺伝子検査が行われる。
斜頚の西洋医学的治療
基本的には対症療法となる。
薬物療法:筋弛緩薬、抗不安薬、抗てんかん薬などで筋肉のけいれんと不随意運動の軽減、痛みの緩和を図る。
ボツリヌス療法:筋肉の緊張を和らげる薬を筋肉に直接注射し過剰な収縮を抑える。
バイオフィードバック療法:筋電計や鏡を使って首や肩の位置を正常に保つ。
理学療法:ストレッチやマッサージで固まった筋肉をほぐし、可動域を広げる。
手術:異常な命令を出している神経を一部切断したり、脳に電気刺激を与える。
心理療法:リラックスすることを心掛ける生活スタイルの改善で症状の緩和を図る。
斜頚の当院の施術
あんにょん鍼灸院では、斜頚の原因筋である胸鎖乳突筋や斜角筋群などに直接鍼の刺激を加え、筋肉の緊張をとることで斜頚の改善を図ります。また後天性斜頚や痙性斜頚には自律神経(交感神経)の興奮も加わっていると考えられるので、併せて自律神経を整える施術も行います。
斜頚による痛みや筋肉のアンバランスは、体の深部にある筋肉と骨、骨と骨をつなぐ軟部組織(筋膜・腱膜・骨膜・靭靭)の緊張により生じており、手や指では組織の異常を解消することは困難です。
当院では『深層筋・筋膜セラピー』というオリジナルの施術で斜頚の症状改善を行っています。
『深層筋・筋膜セラピー』では以下のような効果が期待できます。
- 痛みの活動電位が治まる
- 筋肉の緊張が解け血流が回復する
- 交感神経の緊張が解ける
- 発痛物質の産生・停滞を抑える
- 組織の変性変化を修復する
施術のポイント
1.痛みの元=トリガーポイントの解消
お客様に動いていただいたり、体をストレッチさせて、トリガーポイントを正確に探して解消します。これにより、痛み信号の遮断、交感神経の興奮抑制、血流の改善・増加を図ります。
2.筋肉の柔軟性と弾力性の回復
硬くなっている筋肉を、はりでマッサージするようにほぐすしていき、血管の圧迫を解消します。血流が回復することで、発痛物質の産生が低下、流されることで、筋肉が本来の柔軟性と弾力性を回復します。
3.筋バランスの調整とセルフケア指導
症状のある筋肉を改善するだけでなく、上半身と下半身、左右、前後といった全身の筋バランスを整えます。
施術後の良い状態が保てるよう、姿勢や動き、ストレッチなどの指導をします。
「はりは怖い」と思っていた方も、安心して当院の施術を受けられ、つらい症状から早期に解放されています。
斜頚でお悩みの方は是非一度ご相談ください。